ピエロ

大丈夫 大丈夫 おどけてみせる僕は 
小さなサーカスの名も無きピエロ

 

真ん丸いお月様みたいな 
ボールの上 バランスをとって 
派手に転んだりしちゃって 
笑われるのが僕の仕事

 

客席に泣いてる君を見つけた 
そんな悲しい顔はしないでよ 
パパもママも知らない君の涙に 
僕は気付いた 拭ってあげなくちゃ

 

『大丈夫、大丈夫 痛くも痒くもないんだよ 
 君が笑ってくれるなら』 
ダイジョウブ、ダイジョウブ 無様に転ぶ僕は 
小さなサーカスの玉乗りピエロ

 

泣き止まない君が言うんだ 
「あなたの嘘が悲しいの」って 
『嘘なんて一つも吐いてないよ』 
その言葉にまた泣き出した

 

「客席に見せない仮面の下の 
 あなたが隠した素顔をみせて 
 怪我したとき痛いって 辛いときは喚(わめ)いて 
 恥ずかしいことはないんだから

 

 大丈夫、大丈夫 上手く笑えなくていいんだよ 
 もう二度と嘘を吐けないように 
 大丈夫、大丈夫 堪えたりしなくていいんだよ 
 私も一緒に泣いてあげる」

 

大丈夫 大丈夫 君が見つけてくれた 
忘れかけてた僕の顔 
「大丈夫、大丈夫」 それはまるで魔法のようだ 
ほら嘘吐きピエロはもう消えていなくなった